中学受験塾をみんなどのように選んでいるのでしょうか?
そんなときに注目したいデータがあります。oricon MEが発表しているデータです。
中学受験 集団塾 首都圏 利用者9,530人が比較の際に重視した10ポイントとは?
このデータは中学受験塾約100社を対象に調査を行ったもので、実際に中学受験 集団塾 首都圏を利用した9,530人から回答を得てまとめらています。(参照データoricon ME)
9,530人が比較の際に重視した10のポイント
1 | 通いやすさ・治安 | 17.48% |
2 | 成績向上・結果 | 17.10% |
3 | 適 切な人数・クラス |
14.30% |
4 | 講師 | 13.39% |
5 | 適切な受講料 | 13.12% |
6 | カリキュラムの充実度 | 6.82% |
7 | 入試情報 | 6.48% |
8 | スタッフ | 5.21% |
9 | 教室の設備・雰囲気 | 3.53% |
10 | 自習室の使いやすさ | 2.57% |
小学生ということもありやはり最も重視するのは「通いやすさ・治安」17.48%と現実的な結果となっています。続いて「成績向上・結果」17.1%、「適切な人数・クラス」14.3%が2位、3位と続きます。
具体的に内容をみていきましょう。
ポイント1.通いやすさ・治安
多くの保護者がまず重視するのが「通いやすさ・治安」です。大手塾にかぎらず多くの中学受験塾では17時前後から授業を開始し20時前後に終了するのが一般的なため、通いやすさや、治安の良い立地は非常に気になる点です。
1位CG啓明館
2位サピックス
3位栄光ゼミナール
四谷大塚横浜校では小学4年生の場合は駅まで先生の引率で子どもたちが集団で帰宅する様子が見られます。
また、啓進館でも学年のはじめの特に4年生のクラスでは先生が旗を持って見守る姿や塾の前まで子どもを迎えに来ている親の姿が見られます。
小学4年生からの3年間、週3回前後通うことになるため、まずは現実的に通うことができる塾を中心に選び始める様子が伺えます。
ポイント2.塾ではなく通う教室の合格率や特別クラスの設置はどうか?
続いて保護者が気になるのが「成績向上・結果」についてです。
こちらについては塾全体ではなく、各塾の通う校舎をピックアップして状況を把握することで方向性が見えてきます。
1位サピックス
2位啓進塾
3位四谷大塚
各塾は特に6年生の夏以降に学校別の特別クラスを設置しているため、志望校別のクラスが設定されている教室は、設定クラスの合格率が非常に高く出ている場合もあるため注意が必要です。
例えば2017年の日能研の志望校別特別クラス対象校は栄光学園、聖光学院、浅野、筑波大学附属駒場、慶應義塾湘南藤沢、渋谷教育学園幕張、明治大学付属明治、豊島岡女子学園など。
四谷大塚では、開成なら御茶ノ水、横浜、津田沼、南浦和校、女子学院なら市ヶ谷といった具合です。
学校のある地域のハブとなる校舎に周辺エリアの校舎から子どもたちが集まってきて学ぶため、注意しておかないと小学4年生や小学5年生の子どもたちの状況把握が正確にできなくなります。
また、上記のサピックス横浜校のデータを見ると228名がまんべんなく難関校に合格するサピックスの凄さがわかるともに、男子76名女子50名と約半数弱の卒業生の啓進塾戸塚校のフェリス女学院8名、浅野17名というのも、中堅校に強い塾としてはサピックスとそれほど遜色のない重みのあるデータであるとも考えられます。
このように、実際に通う校舎のデータを確認しながら検討をすすめるのが重要です。
ポイント3.適切な人数か?クラスかどうか? 大手塾? 小規模塾? 個別塾?
1位 サピックス
2位啓進塾
3位四谷大塚
中学受験塾にはクラスの規模で見ると3つのパターンがあります。
- 大手塾
- 小規模塾
- 個別塾
大手塾は下記のサピックス、四谷大塚、日能研などの三大塾や、早稲田アカデミー、栄光ゼミナール、市進予備校などがあたります。
豊富な進学データをもとに、校舎による先生の質の違いも比較的出にくくなっています。
中学受験三大塾
- サピックス(SAPIX)
- 四谷大塚
- 日能研
一方で小規模塾は地域に根付いた小さな塾です。塾長のカラーが出やすく子どもに合えばぐんぐん伸びていくことができる場合もあります。
また、時間割の自由がききやすく習い事などをギリギリまで続けたいという場合トーマスなどの個別塾を選ぶケースもあります。
個別塾の場合は小学6年生の志望校別のクラスの設定は多くの場合、近隣エリアの志望校別クラスが設定されている校舎に通う可能性が高くなるという点は注意が必要です。
ポイント4.講師の質と親の関わりはどの程度なのか?
1位啓進塾
2位サピックス
3位CG啓明館
講師の質というのは、親の方ではなかなか確認が難しいものですが、以下の2点などについて説明会などで具体的に質問をしたり、冬季講習、春季講習などの短期講座を受講して先生の対応を見ることで我が子と合う先生かどうかが判断しやすくなります。
- 宿題の量とチェック体制
- 漢字・計算などの毎日の学習のフォロー体制
授業のすすめ方以外にも、宿題を子どもがやっているかを確認して認め褒めた上で一つステップアップできるコメントなどをしてくれている先生は子どもも親近感がわきやすく学習に前向きになるという声も聞かれます。
復習主義か? 予習主義か? 塾の方針もチェック!
塾の説明会に行くとよく聞くのが「うちは復習主義ですので、お子さんに負担なく学習がすすめられますよ」という説明です。
この「復習主義」は四谷大塚の「予習主義」の対義語として使われる場合が一般的です。
伝統ある中学受験塾である四谷大塚は、初めてみた問題を自分の知識を総動員して考えたり調べたりすることで、答えのない時代に自分で考えて解決策を見つけられる子どもを育てることができると一貫して「予習主義」を唱えています。
そのため優れた教材として定評のある四谷大塚のテキストの名前は「予習シリーズ」。パンフレットには以下のように解説されています。
「『予習』と言ってもこれから習うところを自分で理解して解いてくるわけではありません。
四谷大塚の考える『予習』は、『何もわからない、知らないところから、自らあれこれ考えを巡らせること』です(中略)。
授業を受ける前に少しだけ教科書を開いて、自分で考えて悩む時間[=予習]が小学生のこの時期に必要だと考えています」(パンフレットより)
小学校の学習範囲を超えて自分で考える力が求められる中学受験。塾は新しいことを教えてもらいにいくところと考えてしまいがちです。予習主義、復習主義のどちらを選ぶかは、その点に関しての各家庭の考えかたにもよりそうです。
ポイント5.適切な受講料か?
1位啓進塾
2位サピックス
3位四谷大塚
中学受験塾にかかる費用を小学6年生で比較すると、どこも100万円前後。栄光ゼミナールと市進予備校が80万円後半から90万円台と少し安く設定されているほかはどこに通っても安くはない金額がかかります。
そんななかこのデータでは啓進塾が1位となっています。
啓進塾は他塾に比べて塾が子どものペースメーカーとなることを謳っています。そのため親の役割は子どものフォローとなります。
そのような方針が表れているのが小学4年生から毎週土曜日には任意で無料参加の算数の特講です。
この特講は教師の講義を子どもが受ける形式ではなく、子どもが解いた問題を先生がその場で個別指導する内容となっています。啓進の授業料は安くはないですが、このようなフォロー体制までもが授業料に組み込まれていることを考えると、適切な授業料であると多くの通学生の親が判断するのも不思議はありません。
また、四谷大塚は休んだ授業を映像授業で見ることができたり、中学受験のために独自に開発した国語の漢字や語彙、計算問題をこどもたちが本当にマスターできているかをテストするアプリを開発し、通学した日には必ずiPADでアプリの問題に挑戦する時間が設定されているなど、子どもたちの習熟度をきちんと把握する仕組みがカリキュラムにくみこまれている点などが高い支持につながったと考えられます。
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