受験情報誌を見ていると「お買い得校」という言葉をよく目にします。中学受験塾SAPIXの情報誌「さぴあ2018年9月号」には、中学受験フェアなどでの講演会では必ず目にする森上教育研究所所長・森上展安先生の注目の「お買い得校」に関するコラムが掲載されていました。
森上教育研究所所長・森上展安先生注目の「お買い得校」の見分け方とは?
森上展安先生が考えるお買い得校の条件は2つ。
- 条件1:入学しやすい中堅校(サピックス偏差値40前後)に近い難易度の学校
- 条件2:難関校に迫る大学合格実績を上げている学校
難関校に迫る勢いの実績をあげているかを判断する基準として、
- 卒業者数を母数として国公立大学に1割以上合格
- 早稲田・慶応・上智・東京理科大に4割以上合格しているか、国公立大と早稲田・慶応・上智・東京理科大の合格者数が卒業生の5割に達している
の2つを考えるといいのだそう。
お買い得な男子校・女子校・共学/別学校をチェック!
発表された合格者数は重複合格をカウントしていたり、現役生と浪人生を合わせた数字の場合もありますが、おおまかにこのラインでみておけばGMARCHの学校までの現役合格者数が卒業生の8割程度になることが多いので、中学1年生のときの偏差値が40前後であることを考えるとかなり「お買い得」と言えます。
※GMARCH…明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のいわゆる「MARCH」と呼ばれる大学群に、学習院大学を加えて言う呼び方。
お買い得な男子校
2018年6月の偏差値表をもとに偏差値を入れてみると以下のようになります。
偏差値39~42までの学校で、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のいわゆる「MARCH」と呼ばれる大学群に、学習院大学を含めた難関校へ8割合格していく学校には生徒を伸ばすチカラがあると考えられます。
- 巣鴨(サピックス偏差値:42)
- 成城(サピックス偏差値:41)
- 世田谷学園(サピックス偏差値:42)
- 高輪(サピックス偏差値:39)
お買い得な女子校
学校見学シーズンには、これらの学校も選択肢に加えながら小学4年生の早い時期に志望校へのイメージをもつことで、現実的な志望校のラインナップをつくることができます。
- 昇華学園(サピックス偏差値:41)
- 品川女子学院(サピックス偏差値:39)
- 田園調布学園(サピックス偏差値:38)
- 富士見(サピックス偏差値:39)
- 普連土学園(サピックス偏差値:43)
- 甲府台女子学院(サピックス偏差値: )
お買い得な共学・別学校
- 桐蔭学園中等教育学校(サピックス偏差値:45)
- 桐光学園(サピックス偏差値: )
- 山手学院(サピックス偏差値:44)
- 麗澤(サピックス偏差値:39)
- 開智(サピックス偏差値:43)
注目はお買い得な「準付属」校の中の進学校
今回の記事で注目だったのは、卒業生のほとんどが系列大学へ推薦で進学する「準付属」校のお買い得度が非常に高い点です。
準付属校は系列大学への進学者を卒業生全体から引いたものを母数として、卒業者数を見ていく必要があり、そうすると日本女子大付属などは、国公立大・早慶上理・GMARCHへほぼ100%合格していることになります。
お買い得な「順付属校」の男子校
- 早稲田(サピックス偏差値:58)
- 学習院(サピックス偏差値:44)
- 立教新座(サピックス偏差値:51)
- 明治大学付属中野(サピックス偏差値:45)
お買い得な「順付属校」の女子校
- 日本女子大付属(サピックス偏差値:41)
- 学習院女子(サピックス偏差値:47)
- 立教女学院(サピックス偏差値:48)
お買い得な「順付属校」の共学校
- 成城学園(サピックス偏差値:41)
- 日本大学(サピックス偏差値:41)
- 中央大学附属横浜(サピックス偏差値:46)
- 明治大学付属中野八王子(サピックス偏差値:42)
志望校選定にはさまざまなデータをもとに検討をしてくことになりますが、その中でも大きなウェイトを占める偏差値をもとに「お買い得校」を探すのもぜひ検討したい方法です。
最後に一つこのテーマについて気になること
森上展安先生の記事を読み、サピックスの中学受験偏差値を調べてみると、上記の学校は非常に「お買い得」です。
ただ、一つ気になる点はサピックスの偏差値は中程度以下の学校に対しては非常に低く出ること。中学受験のサピックス偏差値を、大学受験生にそのままスライドさせたことをイメージしたときに、GMARCHの特に偏差値が低い学部などは、もともと偏差値が50前後というこもあり、成績は少しアップしただけだったというケースもゼロではないのではないか。
このあたりはもう少し調べていきたいと考えています。
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