大学入試改革により、2020年の大学入試からセンター試験がなくなります。2020年というと、現在中学2年生の子どもたちからです。もちろん今から中学受験を狙う小学生たちは新テストで受験をすることになります。
このテスト、、、センター試験組の親世代からすると、驚いてしまうことが沢山の改革となっています。その驚きのポイントをご紹介します。尚この取り組みは現在進行中の取り組みです。調査や検討を経てどんどん変化をしているため、2017年3月時点の報告書をもとに行っています。
大学入試は、高校の時点からスタート!?
現在、大学入試の試験はセンター試験、個別学力検査ともに、高校3年の冬に一度だけ行われる試験です。
これが、2020年以降は、高校時代に学校で学ぶ基礎学力が定着しているかを見る「基礎学力テスト」(仮称)と、「大学入学希望者評価テスト」(仮称)を中心としたテストへと変わっていきます。
【現在】
- センター試験
- 個別学力検査(二次試験)
↓
【改革後】
- 高等学校 「基礎学力テスト」(仮称)
- 大学入学希望者評価テスト(仮称)(旧センター試験)
- 小論文・プレゼンテーション・集団討論(旧個別学力検査≪二次試験≫)
- 面接・推薦書・活動報告書・学修計画書
基礎学力テストやプレゼンテーションの準備に時間が使える中高一貫生に有利な可能性
高校時代の「基礎学力テスト」が大学入試の判断材料になることを考えれば、大学入試の準備は、高校時代にはすでに始まっているともいえます。
中高一貫校を選択した場合には、中学受験⇒「基礎学力テスト」(仮称)⇒大学入学希望者評価テスト(仮称) と比較的各テストの間に余裕をもちながら、大学入試でもウェイトが大きくなる小論文やプレゼンテーション、集団討論に必要な経験に打ち込む時間をもちやすくなるとも考えられます。
英語で足きり!というケースも!?
大学入試改革では、「英語」の重要性がさらにましています。それは、「『聞く』『読む』ができるというだけではなく、積極的に英語の技能を活用し、主体的に考え表現することができるよう、「話す」「書く」も含めた4技能を総合的に育成・評価しようとする動きです。
これに対して、英語力の目標が以下のように設定されていますが、公立校では達成率は30%前後となっています。
【英語力の目標】
- 中学校卒業段階 :初歩的な英語を聞いたり読んだりして話し手や書き手の意向などを理解したり、初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話したり書いたりすることができる。(英検であれば3級程度以上)
- 高等学校卒業段階:英語を通じて、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりすることができる。(英検であれば準2級~2級程度以上)
【目標としている英語力を達成している生徒の割合】
- 公立中学3年生で約32%
- 公立高校3年生で約31%
カリキュラムやネイティブの英語教師による授業が充実する中高一貫校有利か?
英語力が重視されるようになると、英語の授業数が多く、習熟度クラスの設置やネイティブの英語教師の設置などを積極的に行っている中高一貫校の生徒たちが、より対策をしやすい状況になるかもしれません。
- 全国の公立全日制高等学校のクラス別平均人数 37.7 人
- 中高一貫校の英語の習熟度クラス編成「13~20 人クラス」が27.9%、次いで「26~30 人クラス」が21.4%
中学受験をひかえた小学生にとっても、大学入試改革の動向を知っておくことはとても重要です。是非チェックしておきましょう。