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お金がかかる印象のある「中学受験」。東京に住む、平均的な年収の家族が中学受験をすることは可能なのでしょうか?

  • 具体的にどのぐらいのお金が必要なのか?
  • 具体的にどのぐらいの貯金があればできるのか?
  • 準備できることは何なのか?

上記の3点を明らかにしながら家族みんなで取り組む「中学受験」のお金事情をご紹介します。

東京都に住む平均的なモデル家族とは?

今回モデルケースとしてご紹介するのは、都内在住の小田さん(仮名)ご夫婦です。

  • 小田さんご夫婦:夫婦2人と子ども2人の家族
  • 父親・母親42歳の同級生夫婦
  • 父親 平均勤続年数:12.6年
  • 母親 専業主婦
  • 子ども 長男8歳(小3) 長女6歳(小1)

一般的な中学受験のスタート年齢である小4を来年にひかえた長男、今年小学1年生になる次女がいるため、そろそろ本格的に「中学受験」を視野に入れることも考えなければいけないと、夫婦で話しています。

そんな小田家の収入データは以下の通りになります。今回は「年収ガイド」から東京都の平均値を入れています。

平均年収

623万5400円

平均月収

41万2400円

平均賞与 128万6600円

(データ:年収ガイドhttp://www.nenshuu.net/)

平均貯蓄 1,971万円

(データ:総務省 家計調査(2015年))

今回想定する中学、高校、大学の進学先とは?

小田さん家族の長男、長女の進学先として中学・高校の6年間を「渋谷教育学園渋谷中学高等学校」、大学を早稲田大学(政治経済学部)と、想定します。

渋谷教育学園渋谷 468万円
早稲田大学(政治経済学部) 378万8,500円
合計 846万8500円

渋谷教育学園渋谷中学高等学校は、「自調自考」を掲げる共学校で、毎年30名前後が東京大学に、Harvard University、Princeton Universityなどにも高い進学実績を誇る学校です。学費は、標準的な私立校に比べ比較的高く設定されています。

2016年は東京大学をはじめとした国公立大学に121名、私立校に492名が合格し、うち早稲田大学には126名と最も多く合格しているため、モデルケースとして想定しました。

年収600万円・4人家族でかかる標準的な経費とは?

家賃 12万円
光熱費・携帯費用 3万円
食費 6万円
老後資金 3万円

今回は、東京都練馬区光が丘に住んでいる設定で、家賃はHOMES 東京の家賃相場 光が丘駅のファミリー向けの物件11,86万円(http://www.homes.co.jp/chintai/tokyo/price/)をもとに設定しました。また、光熱費・携帯費用は、総務省「家計調査(平成27年)」の光熱費23,197円をもとに設定しています。

子ども2人の中学受験、私立大学へ行かせる16年間にかかる年間の費用

それでは小田さんファミリーが、家族で中学受験や大学受験に取り組むこれからの16年間を4年の区切りで4期に分けて見ていきましょう。

第1期 少し余裕のある小学生期 長男小3~小6 長女小1~小4

長女が小学校に入学して最初の4年間はボーナスに手をつけずに、比較的安定した状況の中で家計を維持していくことができます。

この表には被服費や旅行などの娯楽費、車を所有する経費、習い事の経費などは入っていないので、実際には少し意識的に貯金をしながら収支がトントンとなる家庭が多いかもしれません。

親年齢(歳) 42 43 44 45
長男(学年) 小3 小4 小5 小6
長男(年齢) 8 9 10 11
長女(学年) 小1 小2 小3 小4
長女(年齢) 6 7 8 9
家賃(万円/月) 12 12 12 12
光熱費・携帯費等(万円/月) 3 3 3 3
食費等(万円/月) 6 6 6 6
長男塾(万円/月) 3 6 9
長男学費(万円/月)
次女塾(万円/月) 3
次女学費(万円/月)
老後用貯金(万円/月) 3 3 3 3
合計 24 27 30 36
一か月の収支(万円/月) 17 14 11 5
年間収支(万円/年) 204 168 132 60

 

第2期 少しずつ家計の負担が増える小・中学生期 長男中1~高1 長女小5~中2

長男が中学に入学し、長女の中学受験準備が本格化する次の4年はボーナスを切り崩しながら生活をしていく時期になります。

食費やお小遣い、子どもの付き合いにかかる費用などを考えると、なににかけて、なににかけないのか、もっとも苦しい次の4年にそなえていくことを考えていくといいですね。

親年齢(歳) 46 47 48 49
長男(学年) 中1 中2 中3 高1
長男(年齢) 12 13 14 15
長女(学年) 小5 小6 中1 中2
長女(年齢) 10 11 12 13
家賃(万円/月) 12 12 12 12
光熱費・携帯費等(万円/月) 3 3 3 3
食費等(万円/月) 6 6 6 6
長男塾(万円/月) 3
長男学費(万円/月) 6 6 6 6
次女塾(万円/月) 6 9 3
次女学費(万円/月) 6 6
老後用貯金(万円/月) 3 3 3 3
合計 36 39 36 42
一か月の収支(万円/月) 5 2 5 -1
年間収支(万円/年) 60 24 60 -12

第3期 最も家計の負担が大きい中・高校生期 長男高2~大学2年 長女中3~高3

長男が大学に、長女が大学受験を意識し始める4年間は、中学から大学を通じて最も教育費の支出が増大する時期になり、ボーナスを超えるマイナスを出しながら家計を維持していく力が求められます。

このころには、子どもの年金費用や、運転免許の取得費用、留学費用など、親としてだしてあげたい金額が小学生の頃とは金額感が変わる時期でもあります。

親年齢(歳) 50 51 52 53
長男(学年) 高2 高3 大学1 大学2
長男(年齢) 16 17 18 19
長女(学年) 中3 高1 高2 高3
長女(年齢) 14 15 16 17
家賃(万円/月) 12 12 12 12
光熱費・携帯費等(万円/月) 3 3 3 3
食費等(万円/月) 6 6 6 6
長男塾(万円/月) 6 9
長男学費(万円/月) 6 6 9.5 9.5
次女塾(万円/月) 6 9
次女学費(万円/月) 6 6 6 6
老後用貯金(万円/月) 3 3 3 3
合計 48 54 39.5 39.5
一か月の収支(万円/月) -7 -13 1.5 1.5
年間収支(万円/年) -84 -156 18 18

第4期 少しずつ余裕が出来てくる高校・大学生期 長男大学3年~社会人2年 長女大学1年~大学4年

長男、長女ともに大学に入学し卒業するまでの最後の4年間は、これまで8年間にくらべると家計の状況も安定が見え、パパやママもほっと一息つける時期になります。

また、子どもの学費の負担もほぼ終わりに近づき、祖父母の介護や自分たちの老後についてもようやく本腰を入れて考える時間ができるようになります。

親年齢(歳) 54 55 56 57
長男(学年) 大学3 大学4 社会人1 社会人2
長男(年齢) 20 21 22 23
長女(学年) 大学1 大学2 大学3 大学4
長女(年齢) 18 19 20 21
家賃(万円/月) 12 12 12 12
光熱費・携帯費等(万円/月) 3 3 3 3
食費等(万円/月) 6 6 6 6
長男塾(万円/月)
長男学費(万円/月) 9.5 9.5
次女塾(万円/月)
次女学費(万円/月) 9.5 9.5 9.5 9.5
老後用貯金(万円/月) 3 3 3 3
合計 43 43 33.5 33.5
一か月の収支(万円/月) -2 -2 7.5 7.5
年間収支(万円/年) -24 -24 90 90

上記の表からわかるように、「中学受験」を決意した途端、家計に締める教育費の割合が非常に大きくなることです。

今回は、中学受験を決意する長男小3、長女小1までに比較的まとまった金額の貯蓄があったため、この金額にはなるべく手をつけずに、父親の月給を軸にボーナスで補てんを行いながら家計をやりくりするケースをイメージしています。

どのぐらいの貯金があれば中学受験はできるの?

中学受験に必要な貯蓄額はいくらとは、一概には言えませんが、上記のような金額がかかることを前提に老後資金をある程度確保しながら、学費をまかなっていく方法を、家族みんなで協力しながら計画をたてていく必要があります。

教育費以外に定年までにためておきたい金額は3000万円と一般的に言われます。

上記の小田さんの場合は、子どもの教育費にかけはじめる前にためた1,971万円に、57歳~60歳、もしくは65歳の定年までに意識して貯金をしたり、ママも働きに出て家族で収入を増やしていったり、子どもが私立の中高一貫校ではなく、公立や国立の中高一貫校へ進学すれば、1,971万円の貯金で充分貯めていけるかもしれません。

また一方で、大学入学時の浪人や入学してからの留年や司法浪人などの選択により、さらに教育費がかさむことも想定されます。教育費に関しては、これで安心ということはなかなか言えませんが、次々に起こる状況を家族みんなで乗り切っていきたいですね。

中学受験にかかる教育費を作るために今すぐできることは?

貯める 今すぐ児童手当を子ども用の別口座に貯蓄する、移す

児童手当もすべてを貯蓄しておくと以下のような金額になります。毎月の5000円や1万円のひとつひとつは大きな金額ではありませんが、貯めておけば私立の中高一貫校の1年分の学費はまかなうことができるのです。

児童手当をすべて貯蓄した場合の積み立て金額表

支給額 0~3歳未満1万5千円 3歳~小学生1万円 中学生1万円 合計
年齢 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 198万円
月額 1,5 1,5 1,5 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
年額 18 18 18 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12

この金額を最初から想定に入れて家計のやりくりができると、パパやママも非常に助かりますね。

貯める お年玉を貯蓄する

子どもたちが親戚からもらうお年玉も、ため続けることで、子どもの大切な教育資金となります。川崎信用金庫が平成27年1月に発表した「お年玉とお正月調査」(https://www.kawashin.co.jp/local/pdf/2015otoshidama2.pdf)によると、子どもたちがもらうお年玉は、平均5.3 人から24,971 円。

これを中学入学まで貯めると以下のように、約30万円

24,971 円(平均的なお年玉金額)×12年=299,652

実際には小学校高学年の平均はもっと高く低学年の平均はもう少し安くなっていますが、こちらも目的をもって貯蓄しておくことでまとまった金額になります。

貯める ジュニアNISA口座を作る

2016年に始まった「ジュニアNISA」。年間80万円までの投資で売買益等が非課税で100%受け取ることができます。

貯める 保険の見直しをする

家族に必要な保険額は、刻々と変化し、次々と新しい保険商品が販売されるため、定期的な見直しが必要です。また、保険料は毎月出ていく固定費となるため、見直しにより保険料が安く抑えられると家計の負担も大きく減ります。