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東京大学 薬学部の池谷裕二教授が中学 1年生を対象に行った「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験」で、短時間学習の積み上げ学習が長時間学習より成果UP! という結果がでました。

この実験は株式会社ベネッセコーポレーションの『進研ゼミ中学講座』が協力して実施したもの。

結果1 「15分×3 (計45分)学習」グループの上昇スコアが「60分学習」グループの117.2%に!

この実験では中学1年生を以下の3つのグループに分け学習を行い、各グループの直後、翌日、1週間後の学力をテストしました。

  1.    「60分学習」グループ(10名、60分×1セット)
  2.    「45分学習」グループ(10名、45分×1セット)
  3.   「15分×3 (計45分)学習」グループ(8名、15分×3セット、7.5分休憩×2回)

「各時点でのテスト点数から事前テストの点数の差分をプロットしたグラフ(図1)を見ると、どのグループにおいても学習による点数の上昇効果が認められました。

ですが、グループ間のテストスコアを見てみると、直後こそ「60分学習」グループのスコアが勝っているものの、翌日には「15分×3 (計45分)学習」グループが「60分学習」グループを抜き、1週間後にはさらに差が広がりました

この結果から、休憩時間を挟んだ「15分×3 (計45分)学習」グループの方が長期的な記憶固定には有効である可能性があります。また、「15分×3 (計45分)学習」グループは、「60分学習」グループよりも合計学習時間が短いにもかかわらず、効果が得られているのは興味深いです。」(池谷教授)

 

結果2 こまめな休憩は集中力に関係する「ガンマ波パワー」の回復を促し、集中力維持に貢献すると科学的に判明!

「脳波は前頭葉のガンマ波が集中力に関与していると考えられています。今回測定した脳波(図3)を解析してみると、「60分学習」グループは時間の経過とともにガンマ帯域のパワーが低下しており(図3A)、特に40分を境に急激な降下が観察されました。

この事実は集中力が40分ほどしか持続しないことを表しているのかもしれません。一方で、「15分×3 (計45分)学習」グループでは各ブロックで初期のガンマ波パワーの低下は観察されましたが、休憩によりパワーが回復し、学習時間全体として一定以上のレベルを維持していました」(池谷教授)
「今回の実験は小規模の調査のため、統計学的な有意差を得るためには今後更なる大規模な実験を行う必要があります。

しかし、行動や視線で目立った差異は見られなくても、脳波を見る限り、集中力やガンマ波のパワー回復に差異が見られました。以上を総括すると、休憩を挟むことは集中力の維持に寄与し、より少ない学習時間にも関わらず長期的に見て高い学習効果を発揮する可能性が示唆されます」(池谷教授)

こま切れな学習も効果的に学力UPに利用しよう!

中学受験を目指す小学生の場合、一般的に「学年×10分」が集中の目安ということがよく言われます。膨大な学習量がもとめられる、中学受験では子どもが長時間集中できないことにイライラしてします場面もありますが、そんな時に、このようなデータを知っておくと心穏やかに子どもとむき合うことができそうですね。

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