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こんにちはモンテッソーリ教師のにこにこママです(@kidsedujapan1)。

光村図書の小学4年生の国語(下)の教科書に「だれもがかかわり合えるように」 資料「手と心で読む」という課題があります。長女の夏休み明け最初の国語の授業がこの課題でした。

長女が突然「ママのパソコンで調べたいことがあるの」「週末は図書館で調べたい」というので話を聞いてみると、学校の宿題で、「図書館やインターネットで『点字』や『障害』について調べてくる」リサーチが出されたとのことでした。

早速「点字・博物館」などの言葉をインターネットで調べてみると、「点字図書館」が上位に表示されます。「どんな図書館か行ってみようか? 無料の見学会があるみたいよ」と長女に言うと、「行く!」というので早速予約の電話をかけました。

電話口に出られた方に「学校の国語のリサーチで『点字』を調べることになったので見学を申し込みたいことをお伝えすると、「小学4年生の国語の教科書ですね」とすぐに対応をしていただけたので、安心感がありました。

点字図書館の場所は? 見学会とは?

私達も今回はじめて知ったのですが、点字図書館は全国に数十カ所あり、中でも東京は高田馬場と大阪の2カ所が特に大きく、案内をしてくださった方によると、「図書館機能以外に白い杖の使い方や、便利グッズの使い方の講習会などさまざまなことを行っている」のだそうです。

私達が今回見学させていただいたのは高田馬場にある点字図書館で、見学会は要予約水曜日と金曜日の10時~・13時30分~の2回おこなわれています。

点字図書館の見学概要
  • 見学実施曜日:開館日の水曜日・金曜日
  • 見学開始時間:午前10:00~  午後1:30~  (所要時間約1時間~1時間半程度)

JR高田馬場駅「戸山口」からは5分ほどの距離です。

点字図書館の役割と見学会の中身とは?

点字図書館は「図書館」という名前ではありますが、点字の図書の貸出だけでなく、点訳図書や音声図書の作成、便利グッズの販売、見えにくくなった人の教室などさまざまな機能が一カ所に集まった視覚に障害がある人たちのための悩みをいろいろと解決してくれる巨大センターでした。

1.点字図書とは?/「点字図書館」の館内見学

点字の雑誌

点字図書にもいろいろなものがありした。こちらは「テルミ」という2カ月に一度発行される雑誌で、目の見えない人も見える人も一緒に楽しむことができるものです。

中には迷路や身の回りのさまざまなものを指で認識できるように工夫されています。

よく見ると、仏像の衣の点や、頭のブツブツした感じも触ってわかるように工夫されていました。

地図の点字書籍

右ページが山脈を表す点字の地図。左ページが裏面にはなりますが県名を表した点字の地図です。

この地図には解説書がペアになっていて、例えば青森県の地図スペースには、点字では「青」しか表現できないため、解説書には「青」は「青森県」であることが書かれていて照合ができるようになっています。

英語の点字書籍

日本語の点字の書籍よりも少し版が大きいのが英語の点字書籍の特徴です。

日本語の点字書籍

下の写真の真ん中にある「赤毛のアン」です。普通の書籍1冊分の「赤毛のアン」が点字書籍では7冊にもなります。

点字にすることで、書籍にボリュームがでてしまうのが、盲学校に通う子どもたちの教科書のボリュームが大きいことの悩みにもつながっているのだそうです。

また、最近はこのようにルーズリーフ形式の書籍が多くなっており、一部が破損した場合はそのページだけを差し替えるようにしています。

点字のメニュー

「最近は点字のメニューを置く店も増えてきました」という説明に「チェーン店などはどうですか?」と聞くと、「かなりのお店に置いていただいています。ただ『点字のメニューもあります』という表示が普通のメニューに小さく印刷されていることもありますよ」との答えでした。

公式HPにも掲載されている点字図書が出来るまでのボードなどもありました。

2.「自動販売機」に見る身の回りの点字/「点字図書館」の館内

見学していると自動販売機がありました。自動販売機には点字テプラでパッケージが表示されています。

当たり前なのですが、ペットボトルかプルトップ缶なのか?冷たい飲み物なのか温かい飲み物なのか?容量はどうなのか?まで細かく表示されていました。

このことをおうかがいするまで、点字は商品名だけを表示していると考えていました。確かに商品名だけでは量や温度、入っている形態などの重要なことがわかりません。

この点は子どもたちにとって非常に驚きだったようで帰り道何度も「ママ、点字図書館以外の自動販売機も点字をつけるといいね」と何度も言っていました。

3.目の見えない人も便利!身近なグッズ/「点字図書館」の館内見学見学

子どもたちが一番興味を持ったのがグッズを販売しているショップです。

ルービックキューブ/目が見えなくても使える

色だけでなく記号をそろえることで完成させられるルービックキューブ。

オセロ/目が見えなくても使える

黒い面は凸凹、白い面はツルツルのオセロです。

こちらも触って白か黒かを判断できます。

板に埋め込まれているので、コマがバラバラになることもなく便利です。

サイコロ/目が見えなくても使える

サイコロの目が凸凹してドットの数で出た目がわかります。

トランプ/目が見えなくても使える

スペードやクローバーなどはなく、○や△に置き換えられていますが、カードごとに該当する形の数だけ穴をあけてあります。

ウノ/目が見えなくても使える

数字部分に点字テプラのようなものが貼られています。

定規/目が見えなくても使える

メモリが凸凹しています。5ミリ単位になっているので、1ミリはどうやって測るの?と聞いてみると「そこまで細かい単位が必要なことはあまりないのかもしれませんね」との答えでした。

腕時計/目が見えなくても使える

音声や文字板のガラスがパカっと開き、針を触って時間を知ります。

4.オーディオブックの郵送貸出/「点字図書館」の館内見学

オーディオブックの録音ブースも見せていただきました。

こちらはオーディオ図書を郵送するパッケージ。

宛名部分の紙の片面に点字図書館の住所、片面に貸し出す人の住所が書かれています。

聞き終わったオーディオブックも簡単に郵送で返送することができます。

オーディオブックと点字本のどちらが利用されていますか? と質問すると「最近は圧倒的にオーディオブックが多くなりました。点字はやはり学ぶのに時間がかかり、読むことにも時間がかかるためです」とのこと。また気軽に聞くというときにもオーディオブックは便利だそうです。

5.解説ボードや作業コーナーの見学/「点字図書館」の館内見学

館内に設置されていた「見えにくい」ってどういうこと? 一口に見えにくいといっても、全体に暗くなる、全体に明るくなる、ぼやける、一部が見えない、見える部分が穴のようになっているなどさまざまなパターンがあることを説明したボード。

これには驚きました。

また、点字書籍を作るお部屋の見学もさせていただきました。

出かけた日は、点字のカレンダーを作成しているところでした。沢山の点字印刷物を一度に作るときは、このようなボードを使って印刷するのだそうです。

点字についていろいろなことが学べる「点字図書館」。自由研究にもおすすめです。

点字博物館の場所は? アクセスは? 詳細情報をチェック!

スポット名 日本点字図書館
住所 〒169‐8586 東京都新宿区高田馬場1‐23‐4
アクセス 日本点字図書館のアクセスは、高田馬場駅(JR山手線、西武新宿線、東京メトロ 東西線)が最寄りです。
最短のルートは、JR山手線または、西武新宿線の高田馬場駅で降車し、戸山口という出口をご利用ください。(徒歩約5分です。)
※尚、JR山手線と西武新宿線には出口が2つ(戸山口と早稲田口)がありますのでご注意ください。
料金
開館時間 火曜日~土曜日 午前9時~午後5時
休館日 : 日曜日・月曜日・祝日・夏期休業期間・年末年始休業期間
電話番号 電話 03‐3209‐0241(代表)  FAX 03‐3204‐5641