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2018年の中学入試の時事問題にはどのようなテーマが出題されたのでしょう? 国立・私立中学校約70校の入試問題を分析し朝日小学生新聞が発表しました。

中学入試時事問題テーマ1:「選挙」栄光・目地大学付属などで出題

2017年秋に実施された衆議院議員選挙(総選挙)から定数が10人少ない計465人になったこと、選挙権があたえられる年齢が「満18歳以上」に引き下げられて初めての総選挙だったことに関連した「選挙権の移り変わり」、選挙制度について、という3つが主な出題パターンでした。

「選挙」をテーマに出題した中学

・衆議院議員の定数(人数)の正しい説明として、「小選挙区から289人、比例代表から176人」を選ぶ。(東京・明治大学付属明治中
・誤っている説明として、「前回の衆議院議員選挙よりも国民の関心が高く、投票率が70%をこえた」を答えさせる。正しい投票率は約54%。(京都・同志社中
・国会ができてから現在まで、選挙権がどのような人にあたえられてきたのか、いくつかの段階に分けて記述させる。(神奈川・栄光学園中
・誤っている説明として、「衆議院の比例代表選挙で全国をいくつかの選挙区にわけることをせず、すべての都道府県を通じて一つの選挙区としてあつかう」を選択させる。(鹿児島・ラ・サール中

中学入試事問題テーマ2:「憲法」開成中・豊島岡中学などで出題

天皇の国事行為と、憲法改正を規定した第96条についてが頻出でした。

憲法をテーマに出題した中学

・国事行為に必要なものとして「(内閣の)助言と承認」を記述。(東京・鷗友学園女子中、豊島岡女子学園中
・国事行為にあてはまらないものとして「法律案をつくって国会に提出する」「予算の承認」を選択。(大阪・四天王寺中、奈良・西大和学園中
・憲法96条の条文に空欄を設けて、適切な語句として「(各議院の総議員の)3分の2以上」「(国民投票などで)過半数(の賛成)」を答える。(東京・開成中

中学入試出題時事問題テーマ3:「核をめぐる動き」青山学院などで出題

2017年に国連で核兵器禁止条約が採択されたことや、ノーベル平和賞に国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が選ばれたことなどから、核と核兵器をめぐる動きもよく出ました。

「核をめぐる動き」を出題した中学

・国連で採択された条約の名称として「核兵器禁止(条約)」を選択。(東京・青山学院中等部
・核兵器禁止条約のなかで「核兵器使用による被害者」がローマ字でどう表現されているかを問い、「hibakusha」(被爆者)を解答。(愛知・滝中
・核兵器を保有する国がいくつあるか、10か国の中から解答。(埼玉・浦和明の星女子中

中学入試出題時事問題その他のテーマ:「世界遺産」「人口ピラミッド」「海外からの観光客」「電子マネー」「ヒアリ」

・福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産に登録されたことに関し、沖ノ島を例える言葉として「(海の)正倉院」を記述。(大阪・大阪星光学院中)
・日本の人口構成を表す「人口ピラミッド」について、1970年代以降の三つのグラフを示して古い順に並べる。(埼玉・開智中)
・海外からの観光客が「モノ消費」から「コト消費」に変化しつつあることについて、具体例を挙げてコト消費を記述。(東京・学習院女子中等科)
・電子マネーを利用することで企業が得られるメリットを解答。(神奈川・浅野中)
・ヒアリの名称を解答。(千葉・東邦大学付属東邦中)
・特定外来生物についての法律の正式名称に空欄を設け、適切な語句として「生態系」を選択。(千葉・昭和学院秀英中)

時事問題の出題校は8割で出題!

8割あまりの中学で時事問題や時事問題を入り口にした出題があり、衆議院議員選挙や憲法など定番の時事問題はもちろん、核をめぐる動きやヒアリ、海外からの観光客の増加、電子マネーなど、いまの時代を映す出題が目立ちました。
多くの国立・私立中では、世の中の動きに敏感な生徒を高く評価する傾向があり、時事問題を重視する姿勢は今後も変わらないとみられます。
中学入試に詳しい朝日小学生新聞の編集委員は「ニュースに出てくる固有名詞を覚えることと、社会や理科で習うことがニュースとどうつながっているかを考えることがポイント」と話しています。
国立・私立中は世の中の動きに敏感な生徒​を高く評価する傾向/ 朝日小学生新聞 編集委員・大島淳一
時事問題の出題には、大きく分けると二つのタイプがあります。一つは大きなニュースや出来事について、名称や人、事象などの固有名詞を直接問うタイプです。2018年度は、核兵器禁止条約、ヒアリなど。
もう一つは、あるニュースを入り口に、関連する学習内容を問うタイプ。最近の時事問題はこちらの出題が主流で、一歩踏み込んだ勉強が求められます。2018年度は、選挙、憲法など。
2020年度からの大学入試改革を前に、「思考力・判断力・表現力」、能動的に学ぶ姿勢などが問われるなか、国立・私立中では、世の中の動きに敏感な生徒、社会の動きと教科での学びをリンクさせることのできる生徒、自分の意見や考えを表現できる生徒などを求めているようです。
記述式で解答する問題が目立つなど、各校の切り口にも工夫がみられ、ニュースを題材にした出題はさらに多岐にわたるのではないでしょうか。