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【学校説明会のポイント】
宗教色が強く規律に厳しい学校という評判。説明会も固めだが説明会の中2の学校インタビューは元気いっぱいなのに驚き
160人中約100人が国公立早慶上理医学薬学部に進学
横浜市指定文化財1号の校舎を守り、平和教育、ハンセン病プログラムあり

情報発信の少なさから、固すぎる学校という印象がありましたが、生徒たちの元気な様子にはびっくり!

横浜共立学園 塾別偏差値比較と合格者数

サピックス四谷大塚早稲アカ日能研啓進塾首都圏模試
偏差値A44/B52A56/B62A51/B62 A66/B73
合格者数34名59名/15名69名25名

大手塾では神奈川エリアで強い日能研から合格者が多く出ています。サピックス、四谷大塚、早稲田アカデミーは6,000人近い母数から考えると合格者それほど多くありません。受験者もそれほど多くないことが予想されます。神奈川県に数カ所構える啓進塾の母数が200人前後と考えると、地元らしい情報の蓄積がありそうです。

早稲田アカデミーはフェリスの合格者9を見ても感じましたが、神奈川県のこのエリアの学校には弱いのか? 受験しないのか? 女子校よりも共学志向が強く神奈川の校舎の中堅層は横浜女子御三家は受けないのかもしれないと妄想。

どの塾も同じ偏差値帯でよく比較される横浜雙葉と比べると横浜共立の方が各塾合格者数が多く発表されています。偏差値や進学実績でみればほぼ横浜共立と横浜雙葉は似ているかむしろここ数年の横浜雙葉の東大合格者数はすごいのに、塾別の合格者数を見ていくと各塾の横浜雙葉の合格者はなぜにあんなに少ないのだろうか? というのが逆に気になります。

ちなみにサピックス偏差値35の55での進学先

志望校判定は四谷大塚の合不合判定テストが一番精度が高く出そうです。

横浜共立学園の大学進学実績

横浜共立は1学年160人のうち国公立早慶上理医学薬学部に100人が進学します。入口偏差値よりも出口偏差値が良い学校という評判もよく聞かれる学校です。

【DATA】神奈川県の中高一貫女子校の英検取得はどのぐらい? 中3で3級?準2級?2級?準1級?

横浜共立学園の学校説明会で驚いたこと

横浜女子御三家の中では「固めの学校」「規律が厳しい学校」というイメージがありますが、説明会に登場した生徒の元気な様子と、学校説明のビデオの体育祭の迫力がいちばん驚いたところです。

学園で身に着けるのは、社会での活躍の道を閉ざされても、自分中心にならない生き方

説明会の最初は学園の成り立ちとキリスト教についての校長先生のお話からスタート。

横浜共立学園は、1871 年に社会から見捨てられた子供や女性、社会で活躍する道を閉ざされた子供たちのために3人の女性宣教師が作ったアメリカンミッションホームが前身です。

教育と言えば富国強兵という時代に、子ども一人ひとりに寄り添い人格を高める教育を目指し、虐げられた子供たちに、無条件に愛されていることを伝える教育を行いました。そのため、開校時から他者のために生きる医者や看護師などの仕事や、留学して世界の人々のためにに尽力する道を選ぶ卒業生が多くいます。現在もこのような理念のもと、生徒一人ひとりに愛情を注ぐ教育をしています。

創立精神である聖書の教えは、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい」。

隣人を愛するということは、「自分中心にならない」こと。超越した神の存在から考えること。ありのままの自分が神という超越した存在から愛され、例外なく許しと愛が与えることに気づくと、自分が愛されているように自分以外の人ももちろん神に愛されていることに気づきます。そこに気づき、自分の能力を人のために使って生きていくことの大切さや意味に気づいてほしいと熱く学校説明会で校長先生が語られるのには胸をうたれました。

また、こうして育まれた共感力や他者を理解する力、相手を理解する力は自分に返ってくるので、そこから自己確立につながる。中高という多感な時期に、自分を超えた存在を感じながら生活する時間が確保され、常にそこに戻って学べるのがキリスト教学校の良さだなと感じました。

説明会の後に、上の進学実績の医学部や看護学科について聞いてみると「他に~」の欄に医学部や薬学部の実績が実際の数字なしに記録されているとのことでした。

医学部・薬学部の進学実績は数人でも大きくクローズアップする学校が多いなか、合格者数をカウントすると20名弱になり、「控え目すぎる。もっとPRしては?」と感じると同時に、こういうところがおそらく横浜共立らしいところなのだろうという印象を受けました。

「学校と生徒を同一化しない」徹底した姿勢のようなものとでもいうのでしょうか? 

学校にとって生徒は商品じゃないそれはわかる。でも。。。学校説明パンフレットも薄く、公式サイトにも情報がないので、とにかく学校に生徒のいる場所に行かないと良さが伝わりにくい学校ということだけは言えそうです。

こういった説明は、キリスト教学校が少ない共学校の説明会ではあまり聞かれない内容です。
このあたりを中高6年間の子どもの生活にあることを願うかどうかが学校選択のキモになりそうです。

キリスト教教育の伝統は重め

横浜市指定文化財1号に指定された旧校舎は最初に旧約聖書が翻訳された場所で、校庭には学園が開校したときにアメリカから贈られたグリーンベンチが設置されています。

旧校舎は図書館、自習室などがあり、木造の伝統ある空間で落ち着いて学習できる雰囲気がありました。

学校説明会で流されたビデオには、多摩全生園でのハンセン病学習などの様子もありました。キリスト教学校出身者にとってはハンセン病学習や、世界平和、戦争と日本などは身近なテーマですが、学校説明会に参加する子供はこれまで一度も聞いたことのないテーマだったため、なぜこの学校ではこのような時間を持つのか、日本の歴史の中でハンセン病というものはどのような意味を持ち、それを今学ぶことで、今のどのような問題に向き合えるようになるのか、それが、この学校でのアクティブラーニングの糸口になるというような話を帰宅してから子供としました。

女子学院やフェリスなどといった学校はもちろんほとんどのキリスト教学校で取り扱われるテーマです。

イメージと違って生徒たちは元気いっぱいで明るい

学校紹介ビデオでは、説明会に登場した中2の生徒たちの元気な様子と同様、球技大会、体育祭、文化祭などで熱狂している元気な様子がありました。

説明では、特に球技大会などではそれほど練習をしていなくても健闘をたたえあって涙を流して抱き合う姿がたくさん見られ、そのような姿を見ていると中高時代に心を通わしあい、心を通じ合う経験の重要性を感じるというコメントもありました。

また、体育祭の最後は高校三年生が踊る伝統の「ファウスト」というダンスが見どころとのことで、説明会の動画でも数十年前の白黒のファウストと最近のファウストのダンス映像に今も昔も生徒たちが卒業へ向かって涙をこらえながら踊る様子がみられました。女の子にとってはこういう伝統は「素敵!」と映ったようです。

伝統的に体育祭で「ファウスト」を高3が踊る学校はいくつかあり、学習院女子などでも行われています。

勉強は団体戦 男子校の勉強と女子校の勉強

大学受験については、「受験は団体戦」「みんなでやろう」「授業が勝負」が合言葉という説明がありました。高二から文理分かれますが、

説明会のお話のなかで、「一番子どもにとって悲しいことは高1から高2にかけて進路を選ぶときに勉強が足りていないから行きたい進路にすすみたいと口にすることを躊躇してしまったり、行きたい進路を自分で選べないこと」というのが心に残りました。

続けて、進路を自分で決められるのはなぜか? と考えると、それは進路を決めるまでに満遍なく努力すること。そのために高1までに自分で向き不向きを自分で判断できるように中1から徹底的に努力させたいと考えていますと続けて説明がありました。

また、大学受験は、子供たちが自らそこに向かうから意味があり、向かっていくクラスの雰囲気が大事。その意味で大学受験は個人でやるのではなく団体戦であると考えていて、学校生活楽しんでいることが学力を伸ばす最も大きな要因だと考えているそうです。

そのため成績が落ちていく子に対しての学校の役割は生徒の変化にいち早く気づいてあげること。そうすることで自学自習できるようになると考えているということでした。

説明会の冒頭から校長先生のキリスト教と教育方針についてのお話は、とても固めのスタート。

多くの学校の説明会は、最新の探究プログラムや高大連携など華やかなプログラムからスタートすることが多いので、その違いに最初は驚きました

また全般にキリスト教学習の平和プログラムについて、フェリスの説明会では、最新の探究プログラムとのシンクロという視点で語っていました。こういう視点も追加して語っていただけるとキリスト教になじみがない子どもにもその学びが理解しやすいかもしれません。

また、説明会の定番の質問である「授業についていけないときにはどのようなフォローがありますか?」という定番の質問も「中高生の成績不振には勉強だけでなくその子が抱えている問題がある。そこから一緒にスタートしたいといつも対応をしている」というお答え。

この問いの定番の回答は、きめ細やかな補講体制と詳細なカリキュラムなので、この点も驚いたと同時にキリスト教学校らしいなと思いました。ただ、親としてはやはり具体的なフォローの体制についても教えていただきたいところでした。

説明会の内容が具体的でなかったので入学した先輩に聞いてみた!

説明会であまりに実際の授業の様子がわからなかったので、学校が大好きなお子さんのいる進学した先輩ママに聞いてみました。

中1から学校オリジナルの古典暗唱が続き古典が大好きに!

「入学すると源氏物語や徒然草などの古典の名文を一冊にまとめた横浜共立伝統の学校オリジナルの教科書が配布され、暗唱のテストや定期テストにも必ず出題がされます。古典を学ぶのは中2以降ですが、中1から高3まで、受験のための古典ではなく教養として、古典がカラダに入っていくように工夫してもらっている気がします」

理科・社会ではなく「地学」「生物」「化学」「物理」を細切れではなく深く専門的に学ぶスタイル 

理科や社会は一年かけて「地学」「生物」「化学」「物理」を学びます。その分深く、そして授業のまとめノートや感想を自分でまとめて先生に提出して確認もしていただく仕組みです。

考えてみれば、「国語」という教科も「購読」「文法」「古典」などに分かれていて、それぞれを別の先生が深く丁寧に教えてくれます。

理科などは長い期間自分なりの観察結果レポートする課題も

夏休みのレポートで、6月ごろに植物の種を渡されて夏休み明けの9月まで自分で育て5枚程度の観察レポートをまとめる課題があります。期間が長いことと、環境が家庭によって違うため結果にかなりばらつきが出て途中で枯れてしまった人もたくさんいました。

大きく育てられたからいいとか、枯れたから悪いとかではなくて、責任を持って長い期間やり遂げ、失敗したこともレポートする課題があります。家庭科や美術の課題も1日や1週間の頑張りでは提出できない課題が多いのが小学校と一番違うところに感じています。

少なくとも提出の2週間前には構想を練って、図書館で調べはじめ、予定をたてて、実際にかなりの時間手を動かさないと提出できない課題は大変です。

部活は高2が中1を指導 球技大会はクラスごとに趣向を凝らしたハチマキで全力対決

球技大会は2日間、学校全体で中1から高3までがバレエ、バスケなどに分かれてトーナメントで勝ち上がる大会期間です。最初は2日もあるの!と、驚きました。

敗者復活戦まであって、最初に負けてしまっても2日間何度もコートに立ちます。ハチマキの布をクラスの人数分購入して裁断し、それぞれが自宅で暮らすオリジナルのデザインのハチマキをこの日のために作ります。

バイカラーのもの、キャラクター風のデザイン、短期間でオリジナルのデザインをまとめ、生地購入から制作指揮まですべてクラスで行います。クラブによっては大会の後ペアの先輩と最後にハチマキを交換しあったりもあって、熱い熱い2日間は終了すると筋肉痛で大変です。

学校の一番素敵なところは旧校舎の図書館や自習室 何時間でも夢中で本が読める

登下校中のお店への立ち寄りが禁止されているので、テスト前は誘い合って自習室で勉強することが多いです。自習室は旧校舎にあって、落ち着いた雰囲気。高校生の先輩もいるのでもちろん騒げません。自習室を中学生から利用できて、自習室に行ってもおしゃべりして終わらないと親はホッとすると言っています。

同じ校舎内に大好きな図書館もあります。古い本棚の間で本を探すのは気持ちが落ち着くし大好きな時間です。

説明会で「大学受験は団体戦」と聞いたけれどどんなところで感じる?

そういえば学校のクラスの様子を紹介する冊子に、私立文系の高3〇組で突然東大を目指そう! と誰かが言い始め、ある日突然一斉に本気でみんなで勉強に取り組みはじめ、先生たちが応援をはじめたという熱いワクワクする内容のレポートのようなものがあって、大学受験はこういう感じになるんだな! とみんなで驚きながら読みました。

先生が〇〇を目指すぞ! と最初に言って、それにわたしたちがついていくのではなくて、生徒が〇〇を目指すぞー! と言うことができれば、それをみんなや先生が応援して団体戦を支えてくれる? みたいな雰囲気

〇〇オリンピックなどの課外活動はそれぞれが個人で参加 学校に煽られないのが居心地いい

他校の説明会に行ったときに〇〇オリンピック出場といったことをよく聞いたのですが横浜共立では聞かないな~と思っていたのですが、学校のプリントでときどき1行ぐらいで紹介されています。

それはそれで素晴らしい。でもそれが一番素晴らしい。というのとは違う雰囲気がある気がします。うまく言えないのですが。。。

先輩たちに聞きながら思いました。横浜共立いろいろやってるじゃないか。
全部を公開しないのは大事。でも教えてくれないと、受験生も親も最後の頑張りで合格して横浜共立で〇〇をやりたいと学校を目指せない!
説明しなくても、理科の実験の項目、レポートのテーマに学校らしさが出るとテーマだけを公表している学校も多い。子どもが頑張って目指せるように、もう少し情報公開をお願い!

横浜共立学園の結局どこがいいの? 浮つかず、真面目に真剣に自分の中から目標を探して大学へ進学していく学校

フェリス、横浜雙葉と並ぶ女子御三家でその伝統は一朝一夕ではありません。

自由を標榜するフェリスおばあちゃま、お母さまと3代小学校からという子も多い横浜雙葉に比べて御三家の中では比較的中庸な印象があります。

入試の出題形式も精神的に成長していないと合格を取るのが難しいフェリスの出題形式に比べて入試問題は素直。横浜雙葉も文学的素養が必要な女子校らしい出題があるなかでフラットな出題なため対策もしやすいです。

1学年160人という小規模な学校で、150年を超える歴史の中で守ってきたものを丁寧に大切に育み続ける学校です。

とにかく情報発信が少なく、情報発信のスタイルがアグレッシブではないので、掴みかねるところもありますが、塾などにくる卒業生を見ていると、素直で明るくて元気な子が順当に合格していく印象で横浜共立を経て早慶へというのが進学してからもきちんと勉強している子の少なくない進学パータンです。

最近の学校に多い、学校側が引っ張って引っ張ってコンクールやコンテストへ応募していく悪く言えば塾っぽい雰囲気がまったくなく、古き良き伝統校というところがこの学校の良さだと思います。

横浜共立やフェリスは生徒の躍進について学校からはほとんど語られません。
奥ゆかしいというか、控えめな良さも感じつつつ、
受験生の親としては「教えてよ〜」という気持ちにももちろんなります。

横浜共立学園の合格に近い塾・合格しやすい塾は?

サピックス四谷大塚早稲アカ日能研啓進塾首都圏模試
偏差値A44/
B52
A56/
B62
A51/
B62
A66/
B73
合格者数34名59名/15名69名25名

2月1日のA日程は算数、国語、理科、社会が均等配点の神奈川エリアの女子校としては珍しい入試です。

2月3日のB日程は算数と国語のみ。日程的にも、2月1日、2月2日に合格が出なかった上位層が詰めかけます

どちらの日程も素直な出題で丁寧な入試問題研究で合格に限りなく近づける学校です。

過去問研究をする価値が高い学校のため、通っている塾の先生にご相談するのもよし、SS-1横浜校など神奈川に教室をもつ個別指導塾なども検討もおすすめです。資料請求の資料やお試し体験もとても役に立池ます。

(あくまで受験生の親としての私見です。詳しくはぜひこんな話を聞いたのですがとご担当の塾の先生や専門家へお願いします)

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横浜共立学園の文化祭レポート

1871年、米国婦人一致外国伝道協会から派遣された3人の女性宣教師がキリスト教の信仰に基づく女子教育を志して創立した日本で最も古い女子校の一つ「横浜共立学園」の文化祭に参加した体験レポート!

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