中学受験をするかどうかを判断するタイミングが近づいてくる小学3年生。小学1・2年生のころに比べて「全国統一小学生テスト」もただ受けるだけから、良い結果を出したいという方向へ気持ちが向かい始める時期です。
そこで6月に開催される「全国統一小学生テスト」の小学3年生の出題範囲と対策をご紹介します。
全国統一小学生テストとは?
中学受験塾である四谷大塚が2007年に開始した全国の学習塾と提携して開催する無料の模擬試験です。全国47都道府県の2000以上の会場で6月と11月の年2回開催されます。
今回は、小学3年生の6月の受験のカリキュラムや勉強方法調査しています。
小学3年生の6月の全国統一小学生テストの配点と平均点
小学1年生の「全国統一小学生テスト」の試験科目は「算数」と「国語」の2教科で、それぞれ35分で100点満点の配点です。学校では小学3年生から「理科」や「社会」が始まりますが、全国統一小学生テストでは小学3年生の「理科」や「社会」のテストはありません。
また平均点は、1年生は配点の80%、2・3年生は少しむずかしくなって配点の60%になるように問題が作成されていることが発表されています。
受験形式はテストの方法は小学3年生からはマークシート形式になります。
小学3年生の6月のタイミングではマークシート形式のテストの受験経験がある子は多くはないため、受験前にマークシート型式であることを、子どもに伝えておくのもおすすめです。
試験教科 | 算数・国語 |
型式 | マークシート形式 |
配点 | 算数:150点(35分)
国語:150点(35分) |
平均点 | 配点の60%が平均点になるように問題を作成 |
全国統一小学生テストの3年生の6月のテストの出題範囲
全国統一小学生テストの出題範囲は、「各学年1学期までの教科書の内容+応用力を試す問題」と発表されています。
教科書出版社の発表しているカリキュラム表をもとに小学1年生の1学期までの教科書の内容を具体的に見てみましょう。
東京書籍「新編 新しい算数」の小学校3 年生1学期の学習内容からみた出題範囲予想
小学3年生では足し算や引き算は3けたまでが教科書での学習範囲。また、かけ算やわり算にあ0や1のかけ算や割り算の意味をしっかり理解して取り組めている必要があります。全国統一小学生テストではこれまで最初に10問ほどの計算問題が出題されてきました。
小学3 年生の1学期で習う算数の範囲
- かけ算のきまり
- 0のかけ算
- 時こくと時間のもとめ方
- 短い時間
- 長いものの長さのはかり方
- 長い長さのたんい
- 1人ぶんの数をもとめる計算
- 何人に分けられるかをもとめる計算
- 0や1のわり算
- 3けたの数のたし算
- 3けたの数のひき算
- 大きい数の筆算
- 暗算
- あまりのあるわり算
- あまりを考える問題
(平成27年度用「新編 新しい算数」年間指導計画作成資料より ページ末尾に詳しい内容を記載しています)
ここでは教科書の347+178,475+781といった計算にとどまらず、「〇×〇+347」や、「〇÷0(ゼロ)+347」といった式までが難なくとけてるような理解までもっていけているといいですね。
「時刻と時間」、「長いものの長さのはかりかた」についても学校での学習を素地により深い理解を求められる問題が出題される可能性が高いと言えます。
条件を直線を使って整理しながら回答をすすめるような文章問題にも取り組んでおきましょう。
また、公式HPの過去問として掲載されている問題のように、問題文に「〇〇でないものを選ぶ」というようなもひとひねり加わったものにも慣れておくのがおすすめです。
光村図書「国語 上 三」の小学校1年生1学期の学習内容からみた出題範囲予想
小学3年生の国語の教科書から見た出題範囲は、以下のようになります。知っていると点数がとれる国語関連の知識として、漢字の「音や訓」に気を付けておくこと。国語辞典を使った問題が出題される可能性も想定できます。
小学3年生の1学期で習う国語の範囲(平成27年度用「国語 上 三」年間指導計画作成資料より)
- 詩を楽しもう
- 場面のようすを思いうかべ,音読しよう
- 国語辞典の使い方
- 漢字の音と訓
- 話の中心に気をつけて聞き,しつもんをしたり,かんそうを言ったりしよう
- まとまりをとらえて読み,かんそうを話そう
- ざいりょうを集めて,ほうこくする文章を書こう
- 読んで,かんじたことを発表しよう
- 気持ちがつたわる手紙を書こう
- 本を使って調べよう
- 詩を楽しもう
物語文や論説文に加えて、詩や手紙文などのかなり長文の文章題に取り組んでおくのもおすすめです。
全国統一小学生テスト3つの対策
それでは具体的に、小学3年生の6月の受験について、全国統一小学生テストの対策はどのようにしたらいいのでしょうか? 3つの方法をご紹介します。
対策1 無料! 全国統一小学生テストの対策授業に参加する
四谷大塚や早稲田アカデミーでは、全国統一小学生テストの申込者を対象に無料の対策授業を行っています。算数・国語で合計120分程度の授業が行われ、対策問題が配布されます。
申込み時に一緒に申し込む受験者が多く、4月末に申込みがスタートする6月のテストでは、5月中の土曜・日曜を中心に3回程度設定されます。
定員制の対策授業のため、早めの申込みがおすすめです。
対策2 親子で勉強する
出題範囲を参考に、親子で勉強するファミリーも多いようです。
全国統一小学生テストの特徴は、受験生が非常に多く、最難関校の中学受験対策を早い時期から進めている子どもも、学校の授業以外の勉強はまだこれからという子どもも受験をする幅広い受験生が受験するテストであること。
計算や漢字などの知っていればできるものから、中学受験に特有の問題まで出題される問題の幅も広くなっています。
まずは、確実にとれる問題で確実に得点する力をつけ、余裕がある場合は「最レベ問題集」や四谷大塚の問題集である「はなまるリトルシリーズ」などにも取り組みましょう。
対策3 四谷大塚や早稲田アカデミーに入塾する
全国統一小学生テストを主催する四谷大塚や、提携する早稲田アカデミーでは普段の授業から「はなまるリトルシリーズ」などのテキストを使った授業が行われています。
また、全国統一小学生テストの会場も四谷大塚や早稲田アカデミーの教室が使われることも多くなっています。
全国統一小学生テストを主宰する四谷大塚、東進ハイスクールなどが所属するナガセの永瀬昭幸社長は、全国統一小学生テストをはじめた理由について日経新聞の取材に対して、
「受けやすくして埋もれている才能を発掘したいのです」「(全国テストは1回で5億円ほどの出費だが)後でグループの塾に入る子も多くあまり足が出ません」と語っています。※
全国統一小学生テストの対策のために四谷大塚に入るというのは本末転倒ではありますが、テストを機会に四谷大塚や東進ハイスクールを知り、納得した上で入塾を決めているファミリーが多いというのも事実です。
全国統一小学生テストの復習法
全国統一小学生テストの復習はどのようにすると、より子どもの力を伸ばすことができるのでしょうか。ポイントをご紹介します。
復習1 無料! 見直し解説授業に参加する
全国統一小学生テストでは、テスト後に「見直し解説授業」が行われています。事前の無料対策授業、テスト、見直し授業とセットで参加すれば、全部で3回、全国統一小学生テストの会場に足を運ぶことになります。
回答も配布されますが、参加することで特に算数などは自分の子ども以外の子どもの考え方や類題に触れることができおすすめです。
復習2 テスト当日に親子で解く
全国統一小学生テストの算数の後半の大問2問や、国語の長文読解などはかなりハイレベルな問題が出題されます。
テスト当日に、まずは親子で問題に取り組みテストの時間の中での子どもの様子や考え方を再現し、どのように考えていたのかを把握することで、子どもの良い点を今後更にのばしていく視点を得ることができます。
復習3 テスト返却後や、次回テストの前に再度解く
テスト当日に親子でテストに取り組んだら、次はテスト返却のタイミングで改めて復習したり、次回の全国統一小学生テストの前に少し時間をおいて前回の問題を時間を計って解く時間を持つのもおすすめです。
全国統一小学生テストの準備や復習に最適な問題集を口コミでチェック!
「はなまるリトルシリーズ」も「最レベ問題集」も非常に評判がよく成果が出る問題集として知られています。
下記のリンクからは口コミもチェクができるので、実際にこの問題集を使って結果を出したファミリーの学習方法やスタンス、親の悩みなども知ることができます。
口コミをチェックしながら参考書籍をチェック!
【引用】
※2012/12/11 日本経済新聞 プラスワン
http://style.nikkei.com/article/DGXDZO49297320X01C12A2W14001?channel=DF210220171905&style=1
小学3 年生の1学期で習う算数の範囲(平成27年度用「新編 新しい算数」年間指導計画作成資料より)
- かけ算のきまり/乗数と積の関係や交換法則を使って7×4の答えの見つけ方を考える。各々の考えを発表し,他者の考えと比較する。適用問題に取り組む。前時で出された考えを整理し,乗数と積の関係や交換法則をまとめる。被乗数や乗数を分解しても積は変わらないことをまとめる被乗数や乗数を2つの数に分けて,8×6の答えの求め方を考える。乗数が10のときの答えを,既習のかけ算のきまりを使って考える。10の段の答えを,累加の考えや既習のかけ算のきまりを用いて求め,九九表に記入する。
- 0のかけ算/被乗数や乗数が0の場合もかけ算の式に表せること,答えは0になることを確認し,まとめる。場面をとらえ,被乗数や乗数が0の場合の乗法の式を考える。適用問題に取り組む。表を基に,得点のとり方を式に表す。式を基に,得点のとり方を考える。
- 時こくと時間のもとめ方/8時40分から30分後の時刻や,9時50分から10時10分までの時間を,文字盤や数直線を手がかりにして求める。 11時10分の30分前の時刻を,文字盤や数直線を手がかりにして求める。40分と30分を合わせた時間を,数直線を手がかりにして求める
- 短い時間/1分より短い時間の表し方について考える。時間の単位「秒」や,1分=60秒の関係を知る。秒の針の動きに合わせて手を打ったり,目をつぶって1分たったと思ったら手をあげたりする,量感を養う活動に取り組む
- 長いものの長さのはかり方/長いものの長さをはかるには,巻尺を使う運動マットの長さをはかるにはどうすればよいか考える。長いものの長さをはかるには,巻尺を使うと便利なことを知り,巻尺の目盛りの読み方を知る。測定対象に応じた計器を選択する教室の縦と横の長さを巻尺を使ってはかる。長さの見当をつけてからいろいろなものの長さを巻尺ではかる。10mを予測して,その長さを実際にはかる活動を通して量感を養う。
- 長い長さのたんい/「算数のおはなし」を読んで,昔の長さの単位「里」について知り,長さへの興味・関心を高める「きょり」と「道のり」の意味を知り,絵地図を見て距離や道のりを調べる。長い道のりや距離を表す単位「キロメートル(km)」を知る。
- 1人ぶんの数をもとめる計算/同じ数ずつ分ける場面であることをとらえる。12個のクッキーを3人で等分すると1人分は何個になるかを,半具体物を操作して調べる。□×5=20の式から除数の段の九九を使うと答えが見つけられることをまとめる20÷5の答えを半具体物を使わずに見つける方法を考える。上記の操作結果を12÷3=4と式に表すことを知る。
- 何人に分けられるかをもとめる計算/絵から,等分除との違いを確認する。12個のパイを1人に3個ずつ分けると何人に分けられるかを半具体物を操作して調べる。上記の操作結果を12÷3=4と除法の式に表すことを理解する。適用問題に取り組む。用語「わられる数」「わる数」の意味を知る。20÷5の答えを半具体物を使わずに見つける方法を考える。5×□=20の式から除数の段の九九を使うと答えが見つけられることをまとめる。等分除と包含除の問題を比べる。6÷2の式になる問題をつくる。
- 0や1のわり算/クッキーを4人で分けたときの1人分の数を求める場面で,クッキーが8個,4個のときを順に考え,1個もないときは何個になるかを考える。クッキーが1個もないときも0÷4=0と除法の式に表すことを知る。
- 3けたの数のたし算/場面をとらえ,立式について考える。既習内容を基に,365+472の筆算の仕方を考える。筆算の仕方(繰り上がりなし,一の位または十の位で繰り上がりあり)をまとめる。347+178,475+781の筆算の仕方を考える。筆算の仕方(一,十の位で繰り上がりあり,十の位で波及的繰り上がりあり,百の位で繰り上がりあり)をまとめる。347+178,475+781の筆算の仕方を考える。
- 3けたの数のひき算/場面をとらえ,立式について考える。既習内容を基に,315-194の筆算の仕方を考える。筆算の仕方(繰り下がりなし,一の位または十の位へ繰り下がりあり,一の位及び十の位へ繰り下がりあり)をまとめる。402-175の筆算の仕方を考える。筆算の仕方(一の位へ波及的繰り下がりあり)をまとめる。1000-265の計算の仕方を考える。筆算の仕方をまとめる。
- 大きい数の筆算/2483+7156,7156-2483の計算の仕方を考える。5102±4398の計算の仕方を考える。計算の仕方をまとめる。4位数±4位数などの型の計算練習をして,数が大きくなっても加減筆算の仕方は変わらないことをまとめる。
- 暗算/各自で100-79の計算を暗算でする方法をいろいろ考え,発表,検討する。絵を見て,100円を出して品物を1個買った時のおつりを暗算でもとめる。各時で100-62の計算を暗算でする方法をいろいろ考え,発表,検討する。100づくり暗算かるたに取り組み,100の補数を考える。各時で48+29の計算を暗算でする方法をいろいろ考え,発表,検討する。各自で54-38の計算を暗算でする方法をいろいろ考え,発表,検討する
- あまりのあるわり算/14÷3の答えの見つけ方を考える。余りの意味を知る。それぞれの考えを発表し,答えを確認する。上記の計算結果を式に表すと14÷3=4余り2となることを知る。13÷4の計算について余りと除数の関係を調べる。13÷4の計算について余りと除数の関係を調べる。それぞれの考えを発表し,答えを確認する。文章題に取り組む。わり切れない場合を含む除法の答えの確かめ方を考える。
- あまりを考える問題/題意をとらえ,23÷4と立式し,計算して答えを求める。計算では5余り3だが,答えを5としてよいか話し合う。答えは商+1になることをまとめる。計算では7余り2だが,商をそのまま答えとしてよいか,それとも商+1とすべきかを話し合う。題意をとらえ,30÷4と立式し,計算して答えを求める。
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